#1 山内 将太(やまうち・しょうた)さん
医学部医学科第4学年(※取材当時)
“子どもたちを救うことは 日本の未来を助けることになる”
京都府立医科大学では、未来の医学・医療、社会に貢献したいという高い志をもった学生たちが、日々勉学や研究に励み、附属病院での実習を積み重ねています。医学部医学科で学ぶ山内将太さんに、医師をめざしたきっかけやこれからの目標などを聞きました。
―医学部に進むことを決めたきっかけは?
もともとはエンジニアになりたくて工学部を志望していました。しかし、高校3年の夏、祖父の病気をきっかけに進路を変更しました。間接的にでも祖父の役に立ちたい、医師になれば何かできるかもしれない、祖父や同じ病で困っている人を助けられるのではないかと医学部をめざすことにしました。工学部から医学部への変更に不安もありましたが、無事に合格することができ、祖父も涙を流して喜んでくれました。その後、残念ながら祖父は亡くなりましたが、小さい頃から大好きだった祖父の力になりたくて決めた道、その選択に後悔はありません。
―医学部ではどんな学びを?
第1学年は教養と医学基盤教育、第2学年で基礎医学を学び、勉強自体がすごく面白くて、内科や研究職に興味をもちました。解剖実習で心臓の構造を見た時に、神秘的というか、精密な構造に惹かれて、心臓外科医になりたいと思ったんです。第3学年になり、小児心臓血管外科医の先生と話す機会がありました。「これから成長していく子どもたちを救うことは、日本の未来を助けることになる」というお話が心に響き、小児心臓血管外科医をめざすようになりました。第4学年までで一旦座学は終わり、今は実習中です。各診療科を回り、外来で患者の方と関わり予診を取るなど、医師の仕事内容を学んでいるところです。
―広小路キャンパスの魅力は?
調べ物や集中して勉強したい時はいつも附属図書館を利用しており、実習が終わると、広小路キャンパスのへ来るのが習慣になっています。賑やかな河原町キャンパスから静かな広小路キャンパスへ来ると気持ちも落ち着きます。特に附属図書館は学びの一部、僕にとっての「知の泉」のような存在です。専門書も充実していて、学習の資料としてはもちろん、一覧から「この本はよさそう」と思ったものを手に取って見ることもあります。医学書を読むのが好きなんです。人体解剖図を見て、構造を頭の中で構築して、実際に本を眺めているとイマジネーションが広がります。手術書などは図版を見て模写します。ネットで情報を得ることもできますが、やはり本の方が信頼性は高いと思います。ページをめくる動作も好きで、ここまで読んだという達成感は電子書籍では味わえないですよね。自分では買えないような高価な医学書、入手できないような貴重な書籍が揃っていることも魅力です。
―「広小路キャンパス活性化プロジェクト」に期待することは?
図書館内にラーニングコモンズが設置されるとのことで期待しています。実習では、班単位で各診療科を回り、その後に発表をします。班のみんなとのミーティング、レポートやスライド作成など、発表の準備のスペースとして活用できそうです。以前は、テスト前に友だちと集まっていっしょに問題を解いたり、一人が解説して理解を深め合ったりというような勉強をよくやっていました。後輩のみなさんたちもそういう学習方法に使えるのではないでしょうか。昨年12月から始まったキッチンカ―はとてもいいなと思います。これまで昼食は、学食やコンビニでバリエーションが限られてたんです。キッチンカーは日替わりでメニューも変わっていくのでみんな「今日のランチは何かな」と楽しみにしています。
―これからの目標は?
自分にできる最大限の努力をして、患者さんの治療に還元できるような医師になりたい。そのためには、今を毎日さぼらないことです。外科医として自分の手で患者を治せるように、手技のトレーニングにも励んでいます。それが将来の自分の自信にもつながるはずと信じています。僕自身、子どもがすごく好きなのですが、子ども好きであるがゆえに、小児医になるとつらいこともあるかもしれません。自分に本当にあっているのかなと考えることもあります。しかし、未来を担う子供たちを救えるのは、とても尊い仕事だと思います。小児心臓血管外科医をめざして、コツコツ努力を重ねていきます。