#6 第153回トリアス祭実行委員会 <前編>

「医工連動」の医学・健康情報発信、お笑い、映画など多彩なコンテンツを企画中!

毎年秋に開催される京都府立医科大学の「トリアス祭」。明治5年(1872年)から現在まで続く伝統の大学祭は、学部生たちが企画から運営までを行い、学生・教職員・地域住民の方々の参加で賑わいます。第153回トリアス祭実行委員会のみなさんに、今年のテーマ、現在準備中の企画について(前編)、今春開設されたラーニングコモンズの活用、広小路キャンパス活性化プロジェクトに期待すること(後編)などを聞きました。

実行委員長 今田倫太郎さん(医学部医学科 第4学年)
副委員長 石田航平さん(医学部医学科 第4学年)
副委員長 安東慧さん(医学部医学科 第4学年)
装飾班 熊代沙季子さん(医学部看護学科 第2学年)
装飾班 石井友規さん(医学部医学科 第2学年)
装飾班 石田愛結さん(医学部看護学科 第3学年)
プログラミング班 﨑村和真さん(医学部医学科 第2学年)


「第153回トリアス祭」のテーマは?

今田倫太郎さん:「医工連動」です。京都府立医科大学では、現在、医学と工学のコラボレーションを推進しています。学生間でもエンジニアマインドを浸透させることを目的に今年のテーマとしました。医科単科大学である当大学が、今後、さらに飛躍するためには、他大学・他学部との連携が必要だと思います。トリアス祭がその機会になればという思いも込めました。テーマの「医工連動」に関わるメイン企画ということで『医学へのとびら展』の制作を進めています。例えば、今まで人体模型で見せていたような、人間の身体の構造を3DモデリングでCGにするなど、よりわかりやすく紹介します。デジタルアートで楽しくインタラクティブに医学を知っていただく、まさに「医工連動」となる展示会を目指しています。

左から副委員長・安東慧さん、実行委員長・今田倫太郎さん、副委員長・石田航平さん

メイン企画の『医学へのとびら展』の内容は?

石田航平さん:『医学へのとびら展』のWEBサイトを作りながら、各セクションでどんな形式の展示にするかを検討中です。主に中学生・高校生を対象とする解剖学などの体験型企画で、医学への導入となる内容にしたいと思っています。関連して有名な疾患なども詳細に解説します。

﨑村和真さん:来場された幅広い年齢の方から、健康に関するお悩みや医療への意見などを聞くアンケートを実施して、テキストマイニングで掘り出すようなことができないかと考えています。来年以降、多くの人が抱えるお悩みやご意見に答える企画として展開すれば、健康の知識を増やしていただけますし、「医工連動」の取り組みのひとつにもなると思います。

熊代沙季子さん:『医学へのとびら展』は医学科がメインの展示。看護科でも『看護へのとびら展』の開催を企画しています。看護の実践、看護師が身に付けなくてはならない知識や手技を知ってもらえる機会になればと考えています。

石田愛結さん:オープンキャンパスでも、血圧測定や聴診などを体験してみて、看護師の仕事をイメージしてもらえることがすごく多いんです。オープンキャンパスは夏に1回だけなので、中学生・高校生の方にも来てもらって、看護学科に興味をもっていただきたいです。

今田倫太郎さん:「トリアス」は三位一体の意。学生・教職員・地域のみなさまと三位一体で大学祭を盛り上げます。昨年は、開設準備中のマクドナルドハウスへの募金など多くの方々にご支援をいただきました。今年は、僕たち医学生・看護学生の学びや知識を生かした企画を通じて、健康や医療に関する有益な情報を発信します。

装飾班・石田愛結さん(左)、装飾班・熊代沙季子さん(右)

現在企画中、準備中のその他のコンテンツは?

安東慧さん:メインステージでの芸人企画を担当しています。昨年、久しぶりに芸人企画が復活しまして、おいでやす小田さんとフースーヤーさんの2組を迎え、大勢の観客で盛り上がりました。今年も昨年以上に盛り上げてくれる芸人さんを呼ぼうということで、キャスティング会社にリクエストをして、調整を進めています。

石井友規さん:昨年、広小路キャンパスでの縁日企画を担当しました。天候不良もあって、集客は少なかったのですが、小さなお子さんたちには好評でした。今年もぜひ実施したいと思っています。スーパーボールすくい、輪投げ、ダーツボール、ヨーヨー釣りなど、幼稚園児や小学生、家族みんなで楽しめる内容にしたいですね。

石田愛結さん:装飾班では、キャンパス入口の特設ゲート、看板やポスターなど広報物を制作します。今はコンセプトやデザイン、ビジュアルをどうするか話し合っている段階です。河原町キャンパスは通りに面しているので来場者も多いのですが、広小路キャンパスの方は通りを入った場所なので、目を引き、誘導できる装飾ができたらいいなと考えています。

プログラミング班・﨑村和真さん(左)、装飾班・石井友規さん(右)

今春、開設されたラーニングコモンズを使う企画は?

今田倫太郎さん:京都府立医科大学出身で医師免許を持つ映画監督の故・大森一樹氏ゆかりの映画上映会を企画しています。大森監督の20代の代表作『ヒポクラテスたち』(1980年)は、自らの体験を基に医学生“ヒポクラテス”の姿を描く青春群像劇。その第2作として大森監督が生前に構想していた『幕末ヒポクラテスたち』(2026年初夏公開予定)は、京都府立医科大の創立150周年記念作品として企画しました。幕末の京都でパンデミック感染症を乗り越えた京都府立医科大学の初代医師“元祖ヒポクラテス”たちの物語です。この新旧2作品を2階の図書館ホールとラーニングコモンズで見比べていただけるイベントを開催します。『幕末ヒポクラテスたち』は公開に先駆けての上映です。

トリアス祭実行委員会でのラーニングコモンズの活用は?

今田倫太郎さん:毎週金曜日にラーニングコモンズでミーティングをしています。設置されているモニターが精密ですごく使いやすい。3Dモデルのレンダリングも、みんなで細かな部分までチェックできます。ホワイトボードもたくさんあるので、アイデアや意見を書き出して、そこから具体化していくなど、新しい発想が生まれやすいと思います。

石井友規さん:昨年まで使っていた講義室や学生ホールは机と椅子があるだけの何もない空間。オンライン参加の人も多く、ミーティングの集まりが悪かったんです。ラーニングコモンズに変わってからは、参加率がすごく高まっています。照明やカーペットの色彩も明るくて、話しやすくなりました。

安東慧さん:たしかに講義室や学生ホールは、ラーニングコモンズと比べると狭くて暗い印象でした。広々と開放的な雰囲気と豊富なリソース、環境は大事だなと実感しています。

SHARE
X
Facebook
Instagram