#7 京都府立医科大学学友会

“母校がいつまでも 輝き続けることを願って”

京都府立医科大学学友会は、京都府立医科大学卒業生を中心とした会員組織です。現在の会員数は約7,000人。1880年(明治13年)の卒業生から始まり、これまでの総会員数は13,900人に達します。これだけ多くの医師・医学者を輩出した大学医学部や医科大学は日本に例をみません。会員の親睦事業や学術講演会のほか、現役学生たちのへの支援、助成なども続けています。学友会の河田光博会長に、学友会の活動、「広小路キャンパス活性化プロジェクト」に期待することなどを聞きました。


京都府立医科大学学友会 会長
京都府立医科大学 名誉教授
医学博士
河田 光博(かわた・みつひろ)
1952年 神戸生まれ
1977年 京都府立医科大学 医学科 卒業
1977年 京都府立医科大学 助手
1985年 米国ロックフェラー大学 客員講師・助教授
1987年 英国エジンバラ大学 客員研究員
1990年 京都府立医科大学 教授
2015年 京都府立医科大学 名誉教授
2015年 佛教大学 保健医療技術学部 教授
2022年 京都岡本記念病院 顧問(教育担当)
2023年 京都府立医科大学 学友会会長

専門
解剖学、神経科学(神経内分泌学)

役員・賞
日本解剖学会 理事長(2013年-2015年)
日本学術会議 連携会員(2008年から現在に至る)
日本神経内分泌学会 川上賞(1990年)
英国内分泌学会 Mortyn Jones賞(1997年)
英国内分泌学会 International Medal 受賞(2001年)
日本神経内分泌学会 学会賞(2013年) 


―現役学生たちへの支援内容は?

附属病院や学外の病院での臨床実習に臨む医学科4年生約100人に白衣を贈呈しています。左腕に「KPUM」の京都府立医科大学のロゴマーク、右腕に学生の名前が刺繍された白衣を製作。毎年11月、実習直前に白衣授与式が行われ、学長、病院長、そして私も学友会長として参加し、一人ひとりの学生に袖を通し激励しています。看護師には古くから戴帽式という儀式がありますが、医師にはそういうセレモニーはなかったんです。白衣授与式は、6~7年前から京都府立医科大学が独自に始めたことで、私の知る限りでは他大学ではやっていないのではないでしょうか。初めての実習に向けて、どの学生も医師として歩み出していくんだという意欲に溢れています。「この白衣は勲章です」と喜んでくれる学生もいます。また、クラブ活動の支援として、東京の名門医科大学である東京慈恵会医科大学との交流事業をサポートしています。これは70年以上も続いているクラブ活動や教職員の交流イベントです。毎年交代で東京と京都を会場に「慈恵戦」「京都府立医大戦」という名で、体育クラブでの試合、文化クラブの発表や展示、教職員同士でディスカッションなどを行う大学の公式行事です。学友会はこの交流事業を全面的に支援しています。このほか、卒業生を含めた将来性のある有能な若手医師・研究者の研究を奨励する目的で、公益財団法人青蓮会青蓮賞という学術賞を設けています。受賞をステップに大学教授、主任研究員、国内外の病院や教育研究施設のリーダーなどになって、活躍しているケースが多数あります。

―「広小路キャンパス活性化プロジェクト」に期待することは?

図書館を基軸とした活性化プロジェクトということで、さまざまな活動を期待しています。医療系では、卒業生が母校を訪れる機会は多いのですが、病院なので気軽に立ち寄るというわけにはいかない。図書館は大学の中で、ふらりと立ち寄れる場所かなと思います。図書館でぼんやり天井を眺めて思索するのもよし、卒業生も図書館は利用できますから、調べ物などをするのもいいですよね。学生が勉強している中で、卒業生が本を開いてる姿を見たら、生涯勉強だなという気持ちになるでしょうし、卒業生も懸命に学ぶ学生たちから刺激を受けるでしょう。そんな中で会話が生まれるといいですね。元来、図書館は静かに、黙って過ごす空間でしたが、今回のプロジェクトではラーニングコモンズの設置も予定されています。学生たちのグループワークやディスカッションに活用するほか、学生と卒業生との交流の場にも活用できれば理想的です。卒業生にとっても、医師としての原点を思い出すよい機会になるはずです。

―学友会としてプロジェクトに協力の予定は?

学友会会員はみんな「広小路」という言葉自体にも愛着がありますので、資金面などできるだけの援助をさせていただきたいと検討しています。プロジェクトと学友会のコラボでイベントなども企画できればと思っています。アイデアとして、例えば、先ほどお話しした図書館での学生と卒業生の交流をさらに深める場として、学友会の青蓮会館で雑談や学問、社会のことなど気軽に話し合えるサロンを開催。鴨川や大文字の如意岳を望む抜群のロケーションで、卒業したばかりの医師、中堅どころの医師、ベテランのシニア世代の医師など年代を超えて話ができるのは学生にとっても貴重な機会になると思います。我々世代は自分自身が経験したことを次の世代に伝えていきたいという思いもありますので、ある意味非常に大きな喜びになります。それから、図書館のホールにはスタインウェイのピアノがあり、1990年代~2010年頃までは「広小路音楽の夕べ」というコンサートを開催していました。プロ並みにピアノや楽器を演奏できる学生が出演し、患者さんや地域の方々を対象に年に3回ほど実施し、ご好評をいただいていました。このようなコンサートなど文化的なイベントを復活させるのもよいのではないでしょうか。

―河田会長ご自身の図書館の思い出は?

今から40年ほど前、アメリカのロックフェラー大学に留学していたのですが、大学図書館に行くと野口英世の銅像がありました。ロックフェラー医学研究所で研究をしていたそうです。偉大な伝説の人と同じ場所で勉強できるんだと身近に感じたことを思い出します。あとは、東京・駒込の日本医師会館の近くにある東洋文庫は、今まで行った図書館の中で一番圧倒的でした。高い天井まで届く書棚一面にズラリと並ぶ本は圧巻。文明・文化の歴史を感じるスケールの大きさが素晴らしかったです。

―未来の医療を担う若い学生たち、そして学友会会員の方へメッセージを。

まずは、学生のみなさんへ。若さの特権はお金では得られないものです。その時は気づいてないのですが、若い時にしかできないことがあります。それはチャレンジや冒険。若さの特権を生かして、思い切った飛躍をしてほしいと思います。そういう挑戦を積み重ねることで、医療人として、人としても広がりが生まれるでしょう。目標を高くもち、たくさんチャレンジしながらどんどん進んでください。そして、学友会の会員の方へ。私たちにとっては大切な母校です。母校がこれからも輝き続けることを願って、学友会として惜しみない支援をしたいと思います。元々は学生が主体であった学友会では、大学の土地や建物の購入費用を、今でいうクラウドファンディングのような手法で卒業生から集めて、支援したという歴史があります。母校の新しい歴史を作るためにも、ぜひ「広小路キャンパス活性化プロジェクト」へのご支援をお願いいたします。


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