#16 150年の歴史を次世代に繋ぐ、 クラウドファンディング始動

京都ならではの、創造的なフリースペース

京都府立医科大学附属図書館内に整備される新しい学びと交流の場「ラーニングコモンズ」の整備等に向けたクラウドファンディングが1月20日からスタートします。ラーニングコモンズは、読書や自習といった従来の図書館機能はもちろん、グループでのディスカッションやアクティブラーニングの実施、クラブのミーティング、食事やお茶を楽しんだり、友だちとゆっくりおしゃべりしたりもできる、幅広く使える創造的なフリースペース。大学の授業でもグループワークやIT環境や資料(図書)の活用など、積極的に使えるように検討を進めています。さまざまな目的に合わせて、自由自在に組み替えて活用できる、カジュアルで居心地よい空間を目指しています。空間づくりのポイントの一つとして、京都府産木材を使ったダイナー席のテーブルを設置。京都府産スギやヒノキの一枚板のコミュニケーションカウンターテーブル、一枚板を組み合わせた豪華なビッグテーブルなど、木のぬくもりや香りを感じることができます。また畳のマットなど和のテイストも取り入れて、ゆったりとくつろげる京都ならではの雰囲気に仕上げます。併せて、ラーニングコモンズに隣接する1階のトイレも改修。大学内でもきれいで高級感のあるトイレに生まれ変わります。

図書館ホールとラーニングコモンズで学会や研究会にも

2階に300席の図書館ホールがあることも附属図書館の特徴です。例えば、図書館ホールでシンポジウムや学会、講演会を開催した後、1階ラーニングコモンズに移動してグループごとの分科会やセミナー、ポスターセッションなどを行うことができます。またケータリング可能なので、交流会・懇親会にもお使いいただけます。図書館ホールとラーニングコモンズを組み合わせて、フレキシブルに多様な催しを企画することが可能です。学会や研究会はもちろん、産学連携フォーラム、企業のイベント、地域に開かれた講座やワークショップなどにもご活用いただき、広い領域での交流・情報交換の場となることを願っています。図書館ホールやラーニングコモンズの活用で、図書館機能をさらに拡充していくことも目指しています。現在、図書館ホール設備の充実も並行して進めており、2025年4月には舞台幕や暗幕などの幕系を一新します。来年度には音響機器の整備を計画しています。

歴史的医学資料を守り、未来へ継承する

附属図書館の貴重書庫には、大学創立以来150年以上の歩みの中で培われた貴重な資料が数多く保存されています。江戸時代の和綴本、オランダ語やドイツ語で書かれた医学書、さらには150年前の医学生が手書きで記録した講義録など、どれも一つ一つが時代を超えた貴重な証言です。このほか、人工呼吸装置「鉄の肺」、日本が赤十字条約に加盟する前、つまり明治5年に療病院で使用されていた、十字マークが刻まれた提灯など、医学の歴史を伝える品々も揃っています。これらの資料を後世に引き継ぐためにも、丁寧に保管し維持管理することが求められます。古く貴重な書物は一度失われると二度と取り戻すことができません。デジタル化を進め、保存環境を整備し、丁寧な保存と維持管理を続けることが必要です。維持管理には多くの費用がかかるため、今回のクラウドファンディングでは、歴史的医学資料の保存環境整備と、デジタル化へのご支援もお願いしております。

『解體發蒙』
『京都府立医科大学講義録 組織學』

学内のみならず、地域に開かれた場所を目指して

医療の未来を担う学生たちの学びの環境を整える「広小路キャンパス活性化プロジェクト」。その中心的な取り組みであるラーニングコモンズの整備がいよいよ始まります。建物は生き物であり、常に人とふれあうことで、活気が生まれて発展していきます。学生や研究者、教職員だけでなく一般の方にも開かれ、集い、喜ばれる空間を創造し、情報通信環境やデジタルツールなど協働作業をサポートするインフラを整えます。医学の専門図書館として数多くの図書や雑誌も収蔵していますので、府内の医療従事者にも利用いただき、京都府全体の医療の質の向上にも貢献できればと考えています。地域の方々にも気軽に訪れていただけるよう、現在、図書館入口に設置されている入館ゲートは撤去し、どなたでも入館自由といたします。

これからも高等教育と学術研究活動の一層の充実を図り、優秀な医師・看護師・研究者の更なる育成に貢献し、世界トップレベルの地域医療の実現、医療、福祉、予防を通じて地域の皆様の命を守る大学への発展を目指してまいります。150年の歴史を次世代へ繋ぐ、新たな挑戦へ向けてのクラウドファングへご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

クラウドファンディングはこちらまでお願いいたします。

京都府立医科大学広小路キャンパス活性化プロジェクト
「命を紡ぐ架け橋に!未来の医療人材を育む、学びと地域交流の場」

https://readyfor.jp/projects/hirokojipj2025/

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